• 京都大学エグゼクティブ・リーダーシッププログラム(ELP)は、

    オンライン講座「京都大学ELPオンライン」を開講します。

     

    オンラインをベースにした新しいスタイルと価値の経験

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    Professors

    講師陣

    通常のELPと同様、23名のELP講師陣による

    オンライン講義。

    本質を追求する講義をお届けします。

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    Group Work

    グループワーク

    講義後、少人数にわかれてグループワークを行います。異なる立場からの意見や疑問を共有することで、新たな視点を獲得できます。

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    Discussion

    ディスカッション

    各グループからの質問を基に、全体で議論をします。講師に直接問いを投げかけることで、さらに深い学びに繋がります。実際のELPでも重んじている対話を重視したプログラムです。

  • Message

    20206月20日〜718日に開催した「ELPオンライン」受講生から、新しい受講生へのメッセージ。

    もし「これまで自分は十分勉強もし、専門知識もあるから、今更改めて勉強などしなくても通用する」と思っている人がいれば、迷わず、このELPを受講して下さい。

    先の見えない時代に、何を学び、何を感じ、どのように行動していくのか、上質な「知」の空間で きっかけをつかむことができる講座です。

    最短距離で『正解』を求めるのは つまらない。景色を楽しみながら、わからない自分、もやもやする時間を楽しみたいと思います。

    初めてのオンライン講義、ハイレベルな授業の上にシステムについていけるか問題もフォローしていただき楽しく学ばせて頂きました

    このELPオンラインは、これまでのどの研修とも異なり、社会人として軸となる知性や考えるということについての学びを得ることができます。毎回の講義で脳が活性化され、講義後もそれが続いていく、素晴らしい体験となりますので、ぜひ楽しんでください。

    当初はオンラインでの深い議論や、それ以前に講義から多くを受け止めるのは難しいのでは?とやや半信半疑でした。しかし、講師の先生方が常に全力投球であったこと、また、受講生の皆さんが真剣に議論を重ねたことにより、想像を遥かに超える学び、と書きそうになりますが、考え、を得ました。この殺伐とした世の中も、考えに添えた何かがあったのかもしれません。

    混沌とした時代に「自分の軸」とは何か、目の前とほんの少し先を見て日々走っている自身に、無知であることをより自覚するために今回参加いたしました。全国から集まった様々な背景をお持ちの受講生の方々がいらっしゃる中、フラットな環境下で学べたことはとても有り難く感じました。また、提示された各先生方の講義のタイトルからは想像もできないほどの知的好奇心を掻き立てる講義内容、そしてどんな問いも受け止めてくださる質疑応答の空気感がオンラインでも常に醸成できることに驚きを隠せませんでした。「わからないことをわからない」と、率直にお伝えできるのは京大ELPオンラインならでは、とも思います。受講生の方とのGDで、個々人の考え方の多様性、対話をまとめていく技量なども垣間見ることができ、とても参考になりました。世の中には様々なインプットの場がありますが、この講座にこのタイミングで出逢えたことに心から感謝申し上げます。

    MBA系の講座と悩んでいるみなさまもいらっしゃると思いますが、絶対にこちら(ELP)です。心と脳に突き刺さり、日ごろ、どれだけ考えていない自分がいたかを認識できる素晴らしい講義の連続です。講義を受けるにつれ、八思の必要性を認識でき、今までに受けた講義にも新たな気づきがあり、素晴らしいプログラムでした。京都大学の素晴らしい先生方の講義と受講者とのディスカッション、最高でした。

  • 京都大学エグゼクティブ・リーダーシップ・

    プログラム(ELP)とは

    「次世代に向けた本質理解と世界観構築」というコンセプトのもと、八思と呼ぶ8つの学問分野(人文・哲学、法律・政治、経済・経営、異文化理解、理数、医薬・生命、情報・環境、芸術)を網羅的に学ぶプログラムです。
    最先端の知識だけではなく、時代や場所を超えて存在する本質を追求し、次代のリーダーに必要な確固たる世界観、ブレない軸の獲得を目指します。
    講師には、京都大学選りすぐりの教授陣を招き、受講生は全国から様々な組織のリーダー候補が集まります。
    講義は対話を重視し、少人数で徹底的に議論を交わします。

    プログラムを通じて、受講生同士、講師との繋がりが生まれ、

    地域や業種、世代を超えた幅広いネットワークを構築できます。

  • お申込みはこちらから

    満席となりました。たくさんのお申込みをありがとうございました。

  • Admission

    日程

    2020年10月3日(土)〜1219日(土)  

     

    *9月29日(火)11:00〜 or 9月30日(水)13:00〜(1時間程度)に、接続確認&オリエンテーションを行います。

    いずれかの日程にご参加ください。

    定員

    先着30

    受講料

    全23講義受講 600,000円(税抜)

    ※事前資料(Web記事、動画など)は講義前に共有します。教科書が必要な場合は各自で入手いただきます。

    環境

    受講には、オンラインミーティングツール(zoom)が利用できる環境が必要です。
    パソコン、Wi-Fiなどのインターネット環境、カメラ、マイクをご準備ください。

    概要

    ビデオ・音声参加。グループワーク・ディスカッション・チャットあり。
    教科書が指定されている場合には、各自ご購入をお願い致します。

    キャンセル規定

    ご都合により申し込み後にキャンセルされる場合は以下キャンセル料を申し受けます。
    開講日の7日前から前々日 :受講料の30% /開講日の前日から当日:受講料の100%
    最低履行人数に満たない場合、開催を中止する場合がございます。その場合、上記に関わらず全額返金いたします。

  • 説明会動画を公開中!

    「本質を学ぶ」とは何か。ELP委員長・山口栄一先生のお話をお聴きいただけます。

    動画内『募集概要』におきまして「残り24席」とお伝えしておりますが、現在、残り7席となっております。ご了承ください。

  • Program

    2020.10.3 sat.~12.19 sat.

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    『学問の意味と意義』

    各専門知識を脳に入れたら何なのか?

    10/3(土)10:00〜12:40

    宮野公樹(京都大学学際融合教育研究推進センター准教授)

    【講義概要】

    多分野の受講が直ちに教養獲得とはならない。様々な個別知が分散的に存在する知識空間の間(ま)にこそ知性は存在し、それは個別値の統合、融合を求めてこそ身体化されうる。結局のところ、教養とは知性を求める構えに他ならない。そもそも参照軸としての自己がなければ、個別知との距離感も測れず、ただただ「おもしろいか、おもしろくないか」、「役に立ったか、役に立たなかったか」といった表層的感覚でしか承認されないのである(これではテレビ番組のザッピングとかわらない)。

    本講義では、本プログラムを受講するにあたって、当京都大学ELPの思想を踏まえての“あるべき構え”について理解することを目的とし、対話型形式のワークを行うことで今後数ヶ月間にわたる様々な講義や体験の価値を最大化させるための思想的基盤を強化する。

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    『イノベーションの本質』

    イノベーション創生論

    10/3(土)13:40〜16:20 

    山口栄一(京都大学名誉教授、京都大学産官学連携本部特任教授)

    【講義概要】イノベーションを定義づけその生成プロセスを分析し、その構造を明らかにして、イノベーションの方法論を考察する。特に、イノベーションの源泉は何か、そしてそれを如何に生み出し価値創造につなげていくかについて、体系的な理論を展開する。まず、クレイトン・クリステンセンの破壊的イノベーションの誤謬の中から新しいイノベーションの構造であるパラダイム破壊型イノベーションを発見し、その表現手法としてのイノベーション・ダイヤグラムを学ぶ。次に、パラダイム破壊型イノベーションの例とりわけ青色発光ダイオードを、イノベーション・ダイヤグラムを描きながら学び、ブレークスルーのタイプ1を深く理解する。次に、ブレークスルーのタイプ2とタイプ3を理解して、イノベーションにとって最重要の次元が「創発」(abduction)と「回遊」(transilience)にあることを理解する。最後に、これらを体系的にまとめあげたのち、イノベーションの創成手法とそれを育む組織の在り方にかかわる研究成果を、全員で討論する。

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    正義論』

    正義論のフロンティアを探る

    10/10(土)10:00〜12:40

    宇佐美誠(京都大学大学院地球環境学堂 教授)

     

    【講義概要】分配的正義の研究は、過去40年間にいちじるしく発展してきた。この講義では、分析と論争の焦点となっている2つの論点をとりあげて、最先端の研究状況をやさしく概説する。
    第1は、運平等主義の是非である。運平等主義とは、各人が左右できない状況にもとづく不遇に対しては社会的な補償・救済をおこなうべきだが、各人の選択に発した不遇には補償・救済をおこなうべきでないという立場をさす。
    第2は、再分配の目標は何かという論点である。格差の最小化をめざす平等主義、より不利な人に利益を与える優先主義、万人に一定の閾値までを保障する十分主義が提案され、三つどもえの論争が続いている。これらの論点について学び、考え、論じあうことにより、受講者が自ら正義について深く考えることをめざす。
    各回の授業は講義セッションと質疑・討論セッションに分かれ、後者の時間には活発な自由討議をおこなう。

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    『問いのデザイン』

    多様な個を活かすも埋没させるも「問い」しだい

    10/10(土)13:40〜16:20

    塩瀬隆之(京都大学総合博物館准教授)

     

    【講義概要】「ロボットは意識を持ちうるか?」「社会がなくても心は存在するか?」など、わたしたちを思考の衝動に誘う「深い問い」とはどのようなものか。その深く考えるきっかけとなる「問い」を生み出すための方法論や、問いがどのように生まれ、どのように消えるか、問いのデザイン手法について概説する。
    組織の中で個の多様性を活かし、一人一人の個人的な動機と経験を揺動する核心を突いた問いを投げかけられるかどうかは、次世代リーダーシップの多寡を推し量る試金石となりうる。ダイバーシティを適切に価値変換する力は、オープンイノベーションが求められる組織においても、多様なステークホルダーや新規の事業パートナーとの新たなアライアンス形成に通底する必須スキルとしても期待される。本講義では、問いのデザイン手法や実例から、受講生各自の専門領域で接する課題と向き合えるようなコミュニケーションデザインの習得を目指す。

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    『機械学習』

    自ら学習する人工知能の仕組みと応用

    10/17(土)10:00〜12:40

    鹿島久嗣(京都大学大学院情報学研究科 教授)

     

    【講義概要】三回目といわれる今回の人工知能ブームにおいて、機械学習、より広い意味ではデータ解析技術は中核的な役割を担っているといえます元々は人工知能研究の一分野として始まり、知識獲得のボトルネックを解消するための解決策として期待された機械学習は、ビッグデータやIoT といった近年の社会的要請を背景に大きく飛躍しました。現在では多くのプレイヤーが機械学習を競争力の源泉として位置づけようとしのぎを削っている一方で、メディア等では一部のセンセーショナルな側面のみが強調され、人工知能や機械学習に対する過剰な期待や過信があることも否めません。本講義で機械学習の基本的な考え方や方法論について初歩から解説するとともに、深層学習や集合知の利用などの近年の動向についても紹介していきます。

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    『樂茶碗はなぜ黒いのか』

    茶碗から見る日本文化のくくり

    10/17(土)13:40〜16:20

    樂直入(樂家十五代当主)

     

    【講義概要】小学生が樂美術館をおとずれると、かならずする質問があります。「ここには、どうして、黒いお茶碗ばかりならべているの~?」「おじさんも黒い茶碗つくっているのか?」「おじさんは、色きらいなん?黄色とかピンクとか緑とか」
    この本質的で素朴な問いに、どの様に答えればよいのでしょうか。「黒色は千利休と言うえらいお茶人の<侘び茶>の精神なの」と答えればよいのでしょうか。それとも、「黒はすべての色を含んでいる」とでも・・・。
    この子供達の問いは日本文化の根底につながっています。

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    『医療・健康系データベースを用いた新しい医学研究』

    社会における医療の意義と健康の価値

    10/24(土)10:00〜12:40

    川上浩司(京都大学大学院医学研究科 教授)

    【講義概要】疫学とは、個人ではなく集団を対象として、主として健康状態にかかわる様々な要因と健康状態との因果関係を明らかにする学問である。昨今のIT技術と環境の進歩によって、いままでは二次利用されてこなかった医療や健康の情報のデータベースが構築されるようになった。これによって、疫学研究は、医療系のビッグデータあるいはリアルワールドデータを用いた新しいパラダイムを迎えている。さらに、疫学と計量経済学の出会いによって、医療や医薬品の費用対効果を新たな価値として検討することができつつある。このような変革は、医学研究のあり方を根本から変えつつあり、健康や医療の評価、産業や政策への寄与といった様々な展開を見せつつある。本講義では、このような医療系データをめぐる状況や研究事例を俯瞰する。

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    『日本人の死生観の行方』

    生老病死を積極的に見詰める

    10/24(土)13:40〜16:20

    Carl BECKER(京都大学学際融合教育研究推進センター
    政策のための科学ユニット 教授)

    【講義概要】江戸時代までの日本人は、疫病が外からやってくる、目に見えぬ怨霊や疫神(えやみのかみ)のセイとして、注連縄で境界線を守り、村内を清めたり、疫神の姿を取る人形を流し出したりしていた。現代人も、外からやってくる、目に見えぬウイルスから如何に国境を守り、国内を消毒できるかに挑戦しているところである。但し、我々は疫病が怨霊や疫神の悪戯として片付けられず、かなり人間の責任に因るものであると認識しつつあ
    る。古代人も現代人も急性病を恐れ、注目しがちだが、実は、中期・長期の病は死亡率が高く、また日頃から予防可能である。医療福祉でも、在宅介護の暴力、病院看護の燃え尽き、医療赤字や医事訴訟など、問題が山積しているが、その解決の為にも人文系の研究が貢献できる側面に注目したい。働く人間にとっては、最終悪は身体的な死よりも、生きがい感の損失や、精神的疲弊ではなかろうか。生老病死を考えることによって、より人間的な価値観が浮き彫りになる。

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    『仏教における「正念」』

    「三慧」でマインドフルネスを正す

    10/31(土)10:00〜12:40

    Marc-Henri Deroche(京都大学大学院総合生存学館(思修館)准教授)

    【講義概要】本講義では、東洋と西洋の重要な思想的資源を統合することで、あらためて「生存の智慧」を探る。第一に、東洋の諸伝統、とりわけ仏教において、智慧の発展が伝統的にどのように考えられてきたのかを、「聞・思・修」の進行過程に即して考察する。第二に、このモデルを、「智慧の探求」と見なされた古代ギリシア哲学と比較検討し、共通点と相違点を解明する。最後に、そうした古代の智慧がどのように再生され、現代の哲学、科学、社会に統合されるかを考察する。具体例としては、仏教の身心技法やに関する認知科学とその「マインドフルネス」(この文脈では注意と気づき)の技法と言った新しい応用についての近年の研究を取り上げる。

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    『いけばなの美と哲学』

    いけばなにみられる日本の美意識と精神性を造形から解く

    10/31(土)13:40〜16:20

    池坊専好(華道家元池坊 次期家元

    【講義概要】日本のいけばなは表面的な形や色の美しさに留まらず、植物のいのちの様に美を感じ、また人と自然とを関連づけて捉えるところに、その特徴が見受けられる。いけばなに於けるアシンメトリーな造形から日本の美意識を探り、その背景にある自然観について考える。

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    『現代イスラームと国際社会・日本のいま』

    異文化コミュニケーション最大の難問としての「イスラーム」

    11/7(土)10:00〜12:40

    小杉泰(立命館大学アジア・日本研究所 所長・教授、京都大学 名誉教授)

    【講義概要】イスラーム世界は、21世紀に入ってから国際社会の中で急速に存在感を増した。一方には、イスラーム過激派の問題や中東での地域紛争などの政治問題があるが、他方には独自の経済活動があり、イスラーム銀行が無利子金融を標榜したり、ハラール食品がイスラーム圏からの観光客増大で注目を集めたりもする。いずれも、日本文化や近代文明の視点から見ると理解しがたい要素を多く含み、異文化コミュニケーションの最大の難問となっている。
    本講義では、イスラーム経済、ハラール食品産業などを例にとって、イスラームの固有の発想法を概観し、次に、なぜ現代宗教として大きな力を持っているのかをイスラーム法の仕組みから検討して、さらにイスラーム世界の将来や、国際社会・日本との関係についても議論したい。

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    『おいしさの構造』

    おいしさの構成要素の解明と数式化の試み

    11/7(土)13:40〜16:20

    伏木亨(龍谷大学農学部 教授、京都大学 名誉教授)

    【講義概要】「蓼食う虫も好き好き」などといわれるように、同じ食べ物でも好き嫌いが分かれる。おいしさは個人的で曖昧な感覚として、科学では扱われて来なかった。おいしさは、食べ物の中にあるのではなくて、食べ物とそれを食べる人間との関係の中だけに存在するきわめて脆弱でバーチャルな感覚と捉えることができる。
    おいしさをいくつかの構成要素に分けて考えるとそれぞれに科学的な普遍性が見出される。本講義では、食のおいしさに焦点を絞り、おいしさを構成する基本要素を探る。さらに、それらを統合する数式を探ることを試みる。おいしさだけではなく、科学になじまないと言われてきた曖昧な感覚が客観的に評価できる可能性を感じていただければ幸いである。

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    『原子力事故からの教訓と日本』

    原子力事故から考える我が国の様々な問題

    11/14(土)10:00〜12:40

    山名元(原子力損害賠償・廃炉等支援機構 理事長、京都大学 名誉教授)

    【講義概要】福島第一原子力発電所の事故は、被災地に多大な被害を与える共に、我が国のエネルギー政策や国民世論に甚大な影響を与えた。この事故の背景には、原子力の技術的問題だけでなく、原子力産業界の体質的問題、エネルギーや危機管理に関わる政策上の問題、安全規制等の行政上の問題、科学技術分野での問題などが、複合的に存在していたと思われる。さらに、廃炉や復興等の事故後対応にも多くの難題が存在しており、この原子力事故は、我が国における様々な本質的問題や課題の存在を見せつけたと言える。本授業では、この事故に関わる、事故過程・原因・事故対応・事故に至った背景・国内外への影響・被災地復興、などを包括的かつ分析的にレビューし、これらを介して“国レベルの様々な問題や課題”について考察する。さらに、この考察を基にして、今後の我が国における、エネルギー、環境、防災や危機管理、科学技術等の問題に向けた取組みの在り方を議論する。

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    『宇宙に拡がる人類文明』

    フロンティアからフィールドへ

    11/14(土)13:40〜16:20

    磯部洋明(京都市立芸術大学美術学部 准教授)

    【講義概要】この宇宙の姿を明らかにしようとする宇宙科学の究極の目的は、この宇宙に生きるわれわれがどのような存在であるのか、どのようにして生まれこの先どうなるのか、という人間にとっての根源的な問いの答えを探し求めることにある。近代科学は地球と生命がこの宇宙の進化の帰結であり、地球環境が宇宙からの影響を今も受け続けていることを明らかにした。太陽系外の恒星に地球と同じような惑星を発見し、地球外生命探査は今や真面目な科学的課題である。そして今、人類は自らの活動範囲をも宇宙へと拡げつつある。人間の活動があるところには、人間とその社会、すなわち人文社会科学が対象とする課題が生まれる。それは単なる新たな社会的課題の解決という意義に留まらない。宇宙という人類にとっての新たな環境は、われわれ自身がまだ知らない人間とその社会のまだ見ぬ性質を明らかにするだろう。その意味で宇宙は人間とその社会を理解したいという知的好奇心に駆動された人文・社会科学にとってのフィールドにもなりつつある。
    本講義では、哲学・倫理学、人類学、社会学、宗教学など、様々な人文社会科学分野の研究者と宇宙の出会いから新たな知の営みが創発している宇宙研究の最前線について紹介し、この宇宙に発生した人類文明の長期的な展望について議論する。

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    『稽古と無心-「しなやかさ」の系譜』

    ハプニングに対応する身心の土台

    11/21(土)10:00〜12:40

    西平直(京都大学大学院教育学研究科 教授)

    【講義概要】無心。本当はよくわからないのだが、なぜか皆、深い知恵を予感する。ではそこに何が潜んでいるのか。例えば、無心から生じる「おのずからの動き」。意図的に作り出すのではない。恩寵のようにやってくる。あるいは、型という知恵。型の稽古は「ハプニングに対応する身体」を育てる。そうした身心を可能にする土台を育てる。もしくは「身心一如」「離見の見」「修証一等」といった謎めいた言葉、そこに込められた先人たちの「しなやかな」教え。自然体、暗黙知、脱学習、アート、フロー、成就。「身をもって学ぶ(わざを身に付ける)」プロセスと、そこに秘められた豊かな知恵について学ぶ機会とする。

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    『有人宇宙活動』

    人類の宇宙展開は何をめざすのか

    11/21(土)13:40〜16:20

    土井隆雄(京都大学大学院総合生存学館(思修館)特定教授、宇宙飛行士)

    【講義概要】1961年ガガーリンによる人類初の有人宇宙飛行以来、宇宙は人類にとっての進出可能な新世界となった。日本の『第一期有人宇宙活動』は、1985年に国際宇宙ステーション計画への参加決定及び第一次材料実験に参加する日本人宇宙飛行士の選抜により始まった。日本は短期有人宇宙ミッションを通して、宇宙実験技術、ロボットアーム操作技術、船外活動技術など有人宇宙活動に必須な技術を獲得した。『第二期有人宇宙活動』は、2008年「きぼう」日本実験棟を宇宙ステーションに取り付けるミッションを契機に始まった。日本人宇宙飛行士による長期ミッションが開始され、宇宙飛行士訓練、有人宇宙施設の運用、宇宙貨物船の飛行などの技術を獲得した。人類の宇宙展開は何をめざし、私たちはどこに行こうとしているのだろうか。

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    『京都の名園と環境』

    景観生態学から見た生物親和の理論と応用

    11/28(土)10:00〜12:40

    森本幸裕(京都大学 名誉教授)

    【講義概要】日本庭園は造形芸術の一分野として、自然美と芸術美のはざまで、その意匠が神秘的に語られることもあります。しかし、景観生態学から見ると、優れた庭園には共通の客観的な性質が抽出できます。またその意匠は自然や文明の都合のよい面を活かし、困った側面をプラスに変える賢い知恵に満ちています。国指定の名勝庭園である西園寺公の京都別邸「清風荘庭園」という実物に触れながら、フラクタルやエコトーン、攪乱と再生、アダプティブ・リユースなどをキーワードに、優れた庭園の秘密に迫ります。過去の事例に基づく理論の講義と清風荘庭園体験のあと、こうした日本庭園の心と技を地球環境危機の現代に活かす、グリーン・インフラ、雨庭についても紹介します。

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    『有機合成化学の世界』

    分子の手触り

    11/28(土)13:40〜16:20

    大嶌幸一郎(京都大学 名誉教授)

    【講義概要】化学と聞くと多くの方は拒否反応を起こすらしい。しかし、化学ほど我々の生活に密着している学問領域はない。そこで今回の講義では化学をより身近に感じてもらうことを目的に設定し、極めて基礎的、根本的な分子のあり方ならびに分子の組立て方から丁寧に説明することを試みる。加えて、上記目的を達するため、簡単な有機合成化学の実験を行う。これにより、「分子を扱う」という事象を多角的に理解することが可能となるだろう。受講生との対話の流れによっては、これまでにノーベル化学賞を受賞した研究の中からいくつかを選び、発見の経緯を解説する。
    なぜ化学の世界観を手に入れる必要があるのかと問われたなら、そこには物質創造という魅力を味わって欲しいからと答える。それを知らない人生はもったいない。

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    『禅と日本文化』

    禅の教えとリーダーシップの醸成

    12/5(土)10:00〜12:40

    松山大耕(妙心寺退蔵院 副住職)

    【講義概要】禅の本質は「不立文字」。つまり、物事の本質は言葉では表現できない、伝えることができない、ということだ。実践体験を通して、核心を伝えていく。禅は単なる瞑想の手段ではない。「行住坐臥」寝ているときも、歩いているときも、すべての瞬間が禅である。ひとつの生き方と言ってもよい。今回の講義では、文字では表現できないと言われる禅の本質をあえて言葉を使って表現しながら、その奥深さを味わうための入り口としたい。坐禅の実践とともに、禅が生み出した庭や茶など日本文化の精神性にも触れ、禅がいかに日本文化に影響を与えてきたかということも感じていただきたい。また、歴史上さまざまなリーダーが禅に影響を受けており、禅の教えとリーダーシップの関係にも注目する。

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    『がん研究とがん治療の最前線』

    がんはどうしてできるのか?防ぐ方法は?治療法は?

    12/5(土)13:40〜16:20

    千葉勉(関西電力病院 院長)

    【講義概要】現在わが国では毎年120~130万人の方がなくなっていますが、そのうち2/3は病死であり、その病死の約半分が癌ということになっています。つまり私達の二人に一人は癌にかかり、その多くの人が「癌で亡くなる」時代なのです。したがって癌で死ななければ、私達はかなり長生きできます。今回の講義では、この現代病ともいえる癌が、どうして増えてきているのか、どうしてできるのか、どうしたらその発症を予防することができるのか、また癌になった時に、どうしたら治すことができるのか、などについて論じたいと思います。

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    『アート・イノベーション』

    リーダーに必要なアート力を身につける

    12/12(土)10:00〜12:40

    土佐尚子(京都大学大学院総合生存学館(思修館)
    アートイノベーション産学共同講座 教授)

    【講義概要】大切なものは、目に見えない。
    現代社会はグローバルになり、ますます複雑化多様化してきている中で、政治、経済、言語と文化を乗り越えて、人と人をつなぐもの、それがアートである。アート力がつけば、今まで見ていなかった大切なものが、見えてくる。アートの先に科学、技術があり、多くのイノベーションがそうであったように、ほとんど誰から理解されないところに、本質がある。
    この講義では、アートとテクノロジーで構成されている現代美術が、どのように新しい価値や体験を生み出し、それが、新しい技術や、社会に貢献されていくのか、様々な作品を紹介すると共に、体験をしてもらう。
    特に日本文化のコンピューティングに注目し、ほとんどコンピュー ティングの対象となって来なかった(1)日本の移ろいやすい気象・ 自然風土「もののあわれ」などの無常思想や「わび、さび」などの 美意識(2)日本文化とアジア文化の関係(3)神仏習合を根底とした 文化構造(4)和歌、俳諧や能などの日本語独特の特性(5)日本の意匠を取り上げる。このような日本美のルーツをテーマとした現代の美術が、国際的に発信することで、クールジャパンに見られるような新しい文化交流のあり方も講義する。

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    『数学的思考力とは何か』

    予測不能な時代に必要となる数学的な考え方を身につける

    12/12(土)13:40〜16:20

    森重文(京都大学高等研究院 院長・特別教授)

    【講義概要】数学は一般の方からは、その名前のため数の学問だと思われがちです。科学技術を記述する言語だと言われれば良い方ですが、実はアイデアを記述する言語でもあります。それ故に、発想・思考する学問であり、芸術にも繋がります。
    社会が安定的に発展していた時代には、多くの仕事は経験に基づいて判断・決定すれば事足りたかも知れません。しかし、21世紀になってからは未経験な出来事が頻発し、将来はその傾向が更に強まると予想されています。数学的な思考力に基づいた論理的な考察を加味することが必要ではないでしょうか。
    本講座では、論理・発想を科学してみたいと思います。具体的な例に基づいて数学的思考力とはどんなものかお話したり、数学者がどのように研究対象を捉えるのか、科学と芸術の似た点・異なる点などについてご説明したいと思います。

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    『生存学』

    未来社会はどうあるべきか

    12/19(土)10:00〜12:40

    松本紘(国立研究開発法人理化学研究所理事長、前京都大学総長、京都大学名誉教授)

    【講義概要】山中伸弥教授がiPS 細胞の研究でノーベル医学・生理学賞を受賞されました。これは山中先生がこれまでの常識から一歩踏み出し、いまだ科学として成立していなかった「未科学」の分野を「科学」にしようと決断し、挑戦された結果です。iPS 細胞のように、20世紀初頭は「夢」と思われていた技術の多くは現代社会において実現されています。しかしその反面、科学技術が進歩した現在において、環境問題、資源・エネルギー問題をはじめ、さまざまな問題が地球規模の課題として我々の目前にせまり、地球文明の危機に直面しています。現代文明の維持発展、そして「人類の生存」のために科学技術をいかに使い、この21世紀の100年間で世界をどう発展させるのか、そのために国際社会の中でリーダーが果たすべき役割は何なのか、考えたいと思います。

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  • Schedule

    講義の流れ

    10月3日(土)開講式&講義

    9:20〜9:50( 30分)  開講式:山口栄一教授  オリエンテーション:ELPディレクター粟野亮二

    10:00〜12:40(120分) 講義 :宮野公樹准教授『学問の意味と意義』

    12:40〜13:40( 60分) 休憩

    13:40〜14:40( 60分) 講義:山口栄一教授『イノベーションの本質

    14:40〜15:10( 30分) グループディスカッション

    15:10〜15:20(10分)  休憩

    15:20〜16:20( 60分) 全体ディスカッション

    10月10日(土)〜12月12日(土)

    10:00〜11:00(60分) 午前講義

    11:00〜11:30(30分)  グループディスカッション

    11:30〜11:40(10分)  休憩

    11:40〜12:40(60分)  全体ディスカッション

    12:40~13:40(60分)  休憩

    13:40~14:40(60分) 午後講義

    14:40〜15:10( 30分) グループディスカッション

    15:10〜15:20(10分)  休憩

    15:20〜16:20( 60分) 全体ディスカッション

    12月19日(土)講義&振り返りワークショップ&閉講式

    10:00〜11:00(60分) 講義:松本紘名誉教授『生存学』

    11:00〜11:30(30分) グループディスカッション

    11:30〜12:40(70分) ディスカッション

    12:40~13:40(60分) 休憩

    13:40~15:40(120分) 振り返りワークショップ:宮野公樹准教授

    15:50~16:20(30分) 閉講式

    16:30〜17:30(60分) 懇談会

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